プログラミング言語の違いとは?知らないと失敗する【言語の選び方】
プログラミング言語の違いについて知りたい人
「プログラミング言語の違いがわからない。
というか、、、なぜそんなにたくさんの種類のプログラミング言語があるのかな?
プログラミングを初めて学ぶので、どれを選んだらよいかわからないから選び方も教えてほしいです。」
こんな疑問にお答えします。
今回の記事では、なぜ世の中にたくさんの種類のプログラミング言語が存在するのか?
代表的なプログラミング言語を具体的にあげて、初心者にわかりやすく解説します。
この記事を読めば、プログラミング言語の違いを知ることができ、自分にあったプログラミング言語を選べるようになります。
これからプログラミングを新しく学ぼうとする方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
本記事の内容
記事の信頼性
- 組み込み系エンジニアとしてプログラミング歴20年以上
- 数多くのプログラミング言語を使用した経験あり
プログラミング言語の違い
プログラミング言語は言語自体が作られた時期、方式、用途、目的などの理由でたくさんの種類のものが存在します。
その理由や特徴を理解することで、自分に適したプログラミング言語を知ることができます。
コンピュータに近い低級言語と人間に近い高級言語
そもそもコンピュータは数字の0と1しか理解できません。コンピュータの機械の中では、0と1の状態を電気的に作って高速に処理しています。
なので、人間はコンピュータに対して0と1のデータの羅列で仕事の命令をする訳ですが、そうなると人間が膨大な量の0と1の命令を書かなくてはならなくなります。
そこで考えられたのがプログラミング言語で、コンピュータと人間の間をとり持つ言葉です。
よりコンピュータ側に近い機械的な言語を低級言語といい、より人間側に近い口語的な言語を高級言語といいます。
コンピュータが開発された初期の頃はコンピュータの性能も乏しくコンピュータ側に近い低級言語がプログラミング言語として使われていました。コンピュータの進化とともに性能がアップすると、高度な記述のできる人間側に近い高級言語がプログラミング言語として使われるようになりました。
次の例では、機械語→アセンプリ言語→C言語とプログラミング言語は進化して来ています。
低級言語
機械語‥‥‥0、1(2進数)を、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、A、B、C、D、E、F(16進数)で表現したもの
アセンブリ言語‥‥‥0からFの16進数で表現された機械語と1対1で対応させて、さらに可読性を向上させたもの
高級言語
C言語‥‥‥アセンブリ言語ではハードウェアの直接的な簡素な命令しかできないので、アセンブリ言語を組み合わせてより高度で人間の思考に近い形で記述できるようにしたもの
変換方式や実行速度が違う
プログラミング言語は人間が記述したそのままのコードでは実行できないので、コンピュータが読める形に翻訳変換する必要があります。そのやり方の違いでインタプリタ型とコンパイラ型に分けられます。
インタプリタ型は翻訳しながら実行するタイプのもので、コンパイラ型は前もって一括翻訳したものを実行するタイプのものです。
インタプリタ型
インタプリタ型はコードを1行ずつ翻訳しながら実行する形式の言語で、コンパイル(翻訳)作業が必要なくすぐに動作確認ができるメリットがあります。
その分翻訳しながら実行しているのでプログラムの実行速度が遅くなるデメリットがあります。
ただ、翻訳実行しながらプログラムは進むので、エラー箇所が特定しやすくデバックしやすいメリットもあります。
代表的な言語に、JavaScript、Ruby、PHPなどがあります。
コンパイラ型
プログラムを実行する前に一括で翻訳する作業が発生する手間がありますが、翻訳が済んだものを実行するので速度が速いメリットがあります。
コンパイルが終わった後に、エラーがあると通知されるのでエラーメッセージから総合的に判断してデバックする必要があり、慣れないとデバックしにくいデメリットもあります。
代表的な言語に、C言語、C++言語、Java言語などがあります。
用途・目的が違う
プログラミング言語は、元々、コンピュータの能力の向上と開発しようとするシステムを効率的、高性能に作るために変化、進化して来た部分があるので、その用途、目的によってプログラミング言語に違いがあります。
プログラミング言語ごとの特徴と用途は次で解説しますが、その用途、目的別に分けると大まかに以下のようになります。
ただし、項目分けされたものしかプログラミングできない訳ではなく、その分野に向いている言語と考えれば良いでしょう。プログラミング言語の中には、その分野専用の言語もあれば、汎用的にどの分野でも使われている言語もあります。
組込み系言語
家電、自動車、モバイル機器など機械に組み込まれたコンピュータを制御して動かすために使う言語です。
リアルタイムで機械を制御したりするため、高速性や即応性など求められます。
代表的な言語としては、C言語、C++言語、Java言語などがあります。
ソフトウェア系言語
パソコンなどの基本ソフトであるOS上で動作するアプリケーションソフトウェアを動かすために使う言語です。
人間が扱うことが多いため、高速性は求められませんがユーザーインタフェースやパソコンと親和性のある汎用性のある言語が求められます。
代表的な言語としては、C#、Java、MicrosoftVBなどがあります。
Web系言語
パソコンやスマートフォンのブラウザを通して表示させるWebページを動かすために使う言語です。
文字や画像を表示させたり、入力された情報を元に動的に画面を動かしたり、サーバーとの通信など情報のやり取りがスムーズにできる言語が求められます。
代表的な言語としては、HTML、CSS、JavaScript、PHP、Ruby、Pythonなどがあります。
アプリ系言語
スマートフォンやタブレットのOS上で動作するアプリケーションを動かすために使う言語です。
代表的な言語としては、AppleのiPhone、iPadなどではSwift、Amdroidのスマホ、タブレットなどではJavaやKotlinなどがあります。
機械学習、AI系言語
人工知能や機械学習などに高度な計算が得意な言語です。
代表的な言語としては、PythonやR言語、C言語などがあります。
プログラミング言語の特徴と用途
プログラミング言語はコンピュータに仕事をさせるための命令、作業指示の手順を記述したものと言えますが、プログラミングの用途・目的にあったものを選ぶことが、効率よくコンピュータを動作させる最善の方法と言えます。
高速に機械を動かすプログラムであれば、処理速度の速いプログラミング言語が適してますし、ホームページに文字や画像などを整然と綺麗に表示させるには、画面表示に適したプログラミング言語が向いています。
なので、これから自分のやりたいこと、目的にあったプログラミング言語を選ぶことが大切です。
Webサイト制作に向いた言語
普段、パソコンでWebサイトを見たりすることがあると思いますが、そこで動いている言語の代表例です。
HTML
HTMLとは、ハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージの略で、タイトルや段落など文章の構成をコンピュータに指示する言語です。
CSS
CSSとは、カスケーディング・スタイル・シートの略で、文章に装飾などのスタイルを指定する言語です。
JavaScript
JavaScriptは、HTMLとCSSで記述した静的なWebページに対して、動きをつける動的な指示をする言語です。
PHP
PHPとは、Webページを参照するユーザー側のブラウザで動作するJavaScriptに対して、サーバーサイド側のMySQLなどのデータベースと連携して動作する言語です。
アプリ開発に向いた言語
スマートフォンのiPhoneやAndroid、タブレットなどのアプリケーションで使われている言語の代表例です。
Swift
iPhoneやiPadで動作するアプリケーションを開発するための言語です。
Java
OSに依存しないで動作することができるオブジェクト指向の言語で、大型のシステムの他、Androidなどのアプリ開発でも使われています。
Kotlin
Java言語をもっと簡潔かつ安全に動作するようにしたAndroidなどのアプリケーションを開発するための言語です。
人工知能(AI)開発に向いた言語
人工知能の研究開発が進み、我々の身近なところで使われている言語の代表例です。
Python
少ないコードで簡潔にプログラムが書ける性質の言語で、専門的なライブラリが豊富にあることで初学者でも専門的な開発ができると人気の言語です。
R言語
R言語は統計解析に特化したプログラミング言語で、機械学習や統計解析で有効に利用することができます。
ゲーム開発に向いた言語
ゲームはプログラミングの能力を発揮するのに一番適している分野でその言語の代表例です。
C++
C言語にオブジェクト指向を追加して進化させたプログラミング言語で、実行速度が要求されるゲーム開発などでも使われています。
C#
C#(シーシャープ)はマイクロソフトが提供しているプログラミング言語で、前述のC++をさらに進化させて++を付けて#としたと言われています。
C++より扱いやすくUnity(ユニティ)などのフレームワークを利用して、ゲームやAR/VRなどの開発にも使われています。
Unity
ゲーム開発に使われるフレームワークで、C#とともに使われています。
プログラミング言語の選び方
プログラミング初心者がプログラミングを始める理由は多種多様です。
2021年現在、小学校でもプログラミング教育が必修とされていたり、スマートフォンは一人一台所有する時代となり、ITは生活のインフラであると同時に、プログラミングを理解することはふだんの生活やビジネス上必要不可欠なこととなっています。
プログラミング(IT)スキルを習得することは、これから社会生活を行う上で大きなアドバンテージとなります。
ここでは、プログラミング言語の違いを理解した上で、自分の目的にあった言語の選び方を理解しましょう。
プログラミング初心者は習得しやすい言語を選ぶ
プログラミングを初めて学ぼうと考えている方の多くは、「プログラミングって難しそう、、、」と思われているのではないでしょうか?
その答えは、半分当たりで半分はずれです。
理由は、いきなり学習難易度の高いプログラミング言語を選べば難しいでしょうし、プログラミング初心者でも容易に習得できる言語から始めれば、やさしいと言えます。
それでは、具体的にプログラミング初心者でもやさしい言語を紹介します。
HTML+CSS
パソコンやスマホで一番多く目にしているWebページを表示する言語です。
HTMLはWebページの表示する文字や画像をタグで構成し、CSSはそれに装飾する役目をする言語です。
画面に動きのない静的な表示をすることができます。
JavaScript
HTML+CSS同様、Webページを表示する言語ですが、画面に動きをつけることができる動的な表示が可能です。
プログラムを実行する環境もパソコンのブラウザがあればよいので、初心者には扱いやすい言語です。
Ruby
Ruby(ルビー)は日本生まれのプログラミング言語で、「書きやすく、読みやすく」をコンセプトにしているため、プログラミング初心者には扱いやすい言語といえます。
また、日本生まれなので言語のドキュメント類が日本語であり、情報も多いのでわからないことがあった時に調べやすいのも初心者向きです。
プログラミング言語を習得する上で、問題解決につながる言語に関連したドキュメントが多いということは、意外と重要なことです。
Python
人工知能(AI)や機械学習など、最近流行りのテクノロジーだけあって始める人が増えているプログラミング言語の1つです。
書店へ行っても、初心者向けのわかりやすく書かれた入門書も多く、プログラミング初心者が始めやすい言語です。
また、AIはこれから伸びが大いに期待できる分野なので、今のうちに習得しておけば活躍する場面が多いでしょう。
転職目的なら流行り・求人の多い言語を選ぶ
コロナ禍などの影響による働き方の急激な変化や、企業内活動のデジタル技術の進歩によりプログラミングを習得して転職する方も増えています。転職目的でプログラミングを始めようと考えているならば、将来性のある言語や転職市場で求人の多い言語を選ぶことをオススメします。
それは、プログラミングを習得するのには一定程度の時間と労力がかかるので、すぐに陳腐化してしまうような言語だと困りますし、転職市場で求人の多い言語を選べば、その後の転職活動や労働条件も良くなります。
具体的に、今流行りの求人数の多い言語を紹介します。
PHP
Webサイトを制作するときに使用する代表的な言語ですが、近年のデジタル化の波の影響でWebシステム開発の案件が多く、求人数も豊富です。
Java
Javaは比較的昔から普及している言語で、用途に汎用性があり大規模なシステム開発にも向いていることから、根強い人気があり求人数も多いです。
JavaScript
JavaScriptは、HTML+CSSに加えて動的なWebサイト制作ができる他、企業のインターネット商業利用やスマートフォンの普及などにより、
WebページやWebサービスの重要性が増したことから需要が伸びています。
Webページなどのフロントサイドだけでなく、サーバーサイドでも利用可能な言語の汎用性から需要が多くなっています。
フリーランス・副業なら案件の多い言語を選ぶ
今回のコロナの影響で本業の収入が激減している方も多いと思います。
また、2018年からの政府の副業解禁などの動きがあって、手軽に在宅で初期投資が少なくて済むプログラミングの副業をする方が増えています。
さらに、会社に依存しない働き方を目指してITスキルを身につける社会人や学生も増えていて、自由な働き方ができるフリーランスエンジニアも注目されています。
そこで、フリーランス・副業に向いているプログラミング言語を紹介します。
JavaScript
WebサイトやWebサービス、Androidアプリなど各種多方面で利用されており、需要の多い言語です。
パソコンのブラウザ上で動作可能なことからリモートOKな案件も多く、在宅希望のフリーランスや副業に多く使われている言語です。
ただ、フロントサイドで動作させるとなると、HTMLやCSSの習得も合わせて必要となってきます。
PHP
Webアプリケーション開発に用いられている言語です。開発に便利なフレームワークも多くあり、初心者でも効率よく簡単にWebアプリケーション開発が可能です。
また、Webサイトを作成するときに使用するWordPressはPHPでできており、カスタマイズするときなどPHPができると重宝します。
WordPressを使用したWebサイト作成、保守案件もフリーランス、副業向けに多くあります。
Java
大規模なシステム開発からWebシステム開発、スマホアプリまで汎用性が高い言語です。
長年人気のある言語でもあり、Javaエンジニアの需要も高いので将来的に本格的にプログラミングで食べていくことも視野に入れるならば習得して間違いない言語です。
ただ、C++同様、オブジェクト指向言語なので、初心者にとっては習得の難易度が高いです。
Swift、Kotlin、Flutter
SwiftはiPhone、KotlinはAndroidアプリを開発する言語です。
近年、Google社が出したアプリケーションフレームワークのFlutter(フラッター)を使えば、一度にiPhoneとAndroidで動くアプリが開発できるようになりました。モバイルアプリ開発はとっつきにくさからか、Webサイト/アプリ開発よりやる人が少なく希少性が高いので、習得できれば高額案件が取れる雰囲気があります。
自分でモバイルアプリを企画、開発してApple/Googleストアで販売することもできるので、一攫千金など夢のある言語といえます。
自分が実現したいこと・目的で選ぶ
前述の「プログラミング言語の特徴と用途」で紹介したとおり、目的に適したプログラミング言語を選ぶと良いでしょう。
Webサイトを作りたい
HTML、CSS、JavaScript、PHP、Rubyなど
アプリ開発をしたい
Swift、Kotlin、Java、Flutterなど
AI(人工知能)の開発をしたい
Python、R言語など
ゲーム開発をしたい
C++、C#、Unity、Swift、Kotlin、Java、Flutterなど
特に目的はないけどプログラミングをはじめてみたい
はっきりした目的はないけれど、プログラミングをはじめてみたいという方もいると思います。
プログラミング初心者にオススメな言語は、習得のしやすさなどを考えて紹介します。
プログラミングは1つの言語を覚えれば、次の習得のハードルは下がります。
JavaScript
今まで度々登場したJavaScript。
小学生向けJavaScript入門書籍もあることから、学習難易度はかなり低いと思います。
プログラムはパソコンのブラウザ上で動くなど、実行環境の構築も手頃なことから初めての言語としてオススメです。
まずは、JavaScriptでプログラミングに触れてみるのも良いでしょう。
Ruby
クックパッド、TwitterなどもRubyで作られています。
初心者だけど本格的なWebアプリケーションを作ってみたいと将来的に考えるなら、Rubyも良いかも知れません。
Rubyには、Ruby on railsというフレームワークが用意されているので、必要な機能を一から作り込まなくても、部品を組み立てるように効率よく開発できる言語です。
プログラミング初心者向けの安価なプログラミングスクールもあるので、習得を加速したいのであれば利用する方法もあります。